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マーケティング視点で斬る!釣具のポイント高城店移転の話。

ポイント移転話を聞いて悶々とする大分アングラー

最近Twitterのタイムラインでちらほら見かける釣具のポイント高城店が移転する件。

タカミヤの公式求人サイトによると、移転先はファーレマーケットというお店があった場所。

大分市民あるいは明野・下郡を知っている大分アングラーならこう言うだろう

な ぜ そ こ に 建 て る し

そう言いたくなる理由は至極単純明快で、アクセスが悪い、これに尽きる。
というのも、大通りから微妙に外れている場所にあることと、表の入り口は下り坂の最後の方にあるので無理な入り方をすると事故が発生する恐れもあるような場所。

裏口の通りも狭く、一本別の道に入らないといけないのでアクセスしづらい。

同じ場所で営業していたスーパー(ファーレマーケット)もそのアクセスの不便さからか客足も伸びず業績が奮わずオープンから2年も経たず閉店。(顧客は他にも選択肢があるのでわざわざ入りづらいところにいく必要がない)
そんな経歴がある場所に釣具のポイントは新しい店を建てるらしい。

大分釣りSNS界隈は今、この無謀とも思える移転話で悶々としているのだ。

そんな釣具のポイント高城店移転話はどこに勝算があって移転するのか?
ザキさん的マーケティング視点で勝手に推測していきます。

 

釣具店として差別化を図る

まず大きなポイント(釣具のポイントだけに(ドヤ))となるのが以下になる。

大分市内の釣具店としての需要

釣具のポイントは大分市内では「まつき」「山下」「ING」「三平」「イヴ」といった地元企業が競合であり、こと新製品や限定商品そして品揃えにおいては釣具のポイントは全国チェーンの力(仕入れ・流通・広報)を活かしかなり優位な位置に立っていた。

しかしここにきて事情が変わってきたのが、昨年末にオープンした同じ全国チェーンの「かめや釣具 萩原店」の存在だ。

先に挙げた地元企業勢は「海(釣り場)に近い場所にある」ことや「地域のニーズ*に応えている」ことなど、いわゆる「地域密着」といった地元ならではの強みがあり、かめや釣具の存在は脅威ではないと言えば嘘ではあるが、それぞれに需要があり店舗ごとの良さを活かしながら営業しているので釣具のポイントのライバルからはちょっと外れる。(事情通ではないので憶測だけどw)
*地域のニーズ = 山下なんかは大在埠頭が近いのでジャンボを売りやすく半解凍していたり、光吉のまつきはバス関連のフィールドテスターがいる(確か)ので芹川に行くバスアングラーには馴染み深い。

しかし、かめや釣具と同じ全国チェーンとなる釣具のポイントはどうだろう?
そう、需要かぶりをしているかめや釣具はバッチバチのライバルになる。

自分のお店のメリット丸かぶりのお店が近隣にできたのだから、気が気ではない。さぁ大変だ。
土曜という稼ぎどきにもかかわらず朝9時オープン!なんて殿様商売をしている場合ではない。

こうなると、客を呼ぶためにお店が取らないといけない手段は「差別化」だ。
釣具のポイントにはあって、かめや釣具にはないもの
極端な話、

「ウチのお店で買うと○○○○がついてくる!」
「○○○○があるのは釣具のポイントだけ!」

みたいなこと。
しかし、上記のような極端な短期的なキャンペーン(限定商品や期間限定特典)は「その時だけの客」が多く、顧客の継続来店(再来店・リピート)にはつながらない場合が多い。(こういった手段は新規出店時の認知拡大には有効な手だが…。)

ただ、全国チェーンのお店はその経営形態の関係で地域性みたいな「自分の色」を出しづらいということもあり、キャンペーンやセール以外で差別化を図るのが難しいのである。

釣具のポイントの経営陣(タカミヤ)や店舗運営責任者はかめや釣具出店の話を聞いた時さぞかし頭を悩ませたのではないかなと思う。

(ここまで書いて同じ全国チェーンのタックルベリーの存在を思い出したが、そもそも中古釣具店なのでバッチリ棲み分けはできているw)

そんな釣具のポイント移転だが、差別化できる要素が憶測含めて大きく二つある。

 

差別化ポイント:販売スペース拡大

釣りのポイント大分高城店が下郡に移転!
九州最大級の売場になって、移転オープン致します。

これは先ほど紹介した求人サイトに書いてあるのだが、なんと九州最大級クラスの店舗の大きさになるらしい。

販売スペース拡大 = 商品がより充実する(量も種類も)

針一つとっても釣果に直結する以上「値段や形を比べること」や「実際に商品を見てみる」ことを大事にしている釣り人(客)は大勢いる。

なので、商品が充実し選べる・比べれるということは大きなメリットであり、客を呼ぶには大きな要素である。

・・・まぁ、九州最大級はあくまでも自社(ポイント)の他店舗と比べてなのか、それとも競合他社も含めてなのかははっきりしてもらいたいところだが。

 

差別化ポイント:販売ターゲットエリアの変更して棲み分け

これは憶測だけど、ターゲットエリアの変更もあるのではないだろうか?

そもそも、ターゲットエリアを選定する上で、買いに来てくれる客さんはどこに住んでいるんだろう?と調査する必要がある。

しかし、釣具のポイントは個人情報登録必須のポイントカードやアプリなどですでに多くの顧客データをしっかり握っているので、この調査はそんなに大変ではないだろう。

それを踏まえた上で、今まではターゲットエリアが大分市内全域だったけど、顧客データを元に総合的な判断で新店舗の場所に「下郡・明野エリア」を選択し、かめや釣具とのターゲットエリアを棲み分けし差別化できると判断したのではないだろうか。

言葉足らず・説明不足なところも多々あるが、大きくこの二つが差別化の要素となるのではと考えられる。
(もちろんこれら以外にも色々あるけど、大きな要素として…)

 

店舗の事情 経営コストが見合わない

もう一つのポイントは採算が取れないという点ではないかと思う。

これも前項に続き憶測ではあるが、高城で店舗を運営するランニングコストが十分な売上・費用対効果を生み出すことができない…という経営側のビジョンがあるのではないだろうか?

かめや釣具が萩原にできるぞ!という話をタカミヤが聞いたときに

競合が存在する仮想的なビジョンを作成

その競合が存在する市場で、ターゲティングエリアやその他データなどを照らし合わせ将来的な売り上げの予測を立てる

予測した売り上げがランニングコストと採算が合わない

じゃあランニングコスト下げるために移転すっか

実際にはもっとフローがあるだろうけど、こんな感じで戦略会議があったのではないかなと思う。

ランニングコストの一つとして、家賃…この場合だと土地代が挙げられる。

移転先の土地事情はわからないが、貸土地なら廃業したスーパーの例もあり賃料(または土地購入代)がかなり値切れたのではないかと思う(あくまでも憶測です)

また、高速IC(米良)が近くなったこともあり商品の輸送コストも削減されるのではと考えられる。

 

結論:釣具のポイントの移転成功をお祈りします

上記に挙げたこれらの理由は差別化には十分だ。

マンネリ化していた店舗運営を改善するために、移転して新鮮さ目新しさを与え、新しい顧客を得るということも十分に可能だ。

先に述べたように「なんであんな場所に?」と思ってしまう移転も、マーケティング視点で見てみると納得できるものがある。

ただ、やはり、自分もこう思う

な ぜ そ こ に 建 て る し

もーちょっとアクセスの良い場所あったでしょ…タカミヤさん。

勝てる自信があるからの移転なんだよね…!?

コロナ禍で客も収益も一時的に増えたかもしれないけど、そういった客層が継続的な顧客になるわけじゃないんだぞ…!?

まぁイチ顧客である自分が憂いてもしょうがない。

先に挙げた商品・規模以外にも全国チェーンならではのアフター対応や、小型店にはない接客レベルの均一化など他にも差別化できる要素は多くあるので、是非強みを活かして、商売繁盛してほしいと切に願うザキさんでした。

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